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俳優志望のバーテンダー。俳優を目指してフロリダからやってきたそうである。









サンセットストリップにあるウィスキー・ア・ゴーゴー。駆け出しミュージシャン達のライブが毎夜見られる











グリフィス天文台付近から見たハリウッドサイン











これがかつて働いていた竜宮邸












街中にこのような巨大ビルボードがある これはバイバールームの目の前












バスも映画の宣伝に一役かっている
Vol.7 ハリウッド、ハリウッド
ロサンゼルスといえば世界のエンターテイメントの中心。大手映画会社やスタジオ、レコード会社などほとんど全てがLAに集中しているといってよい。日本にいる友達によく聞かれるのが“有名人にあったことある??”歩けばセレブにぶつかる・・・というほどでもないが、場所によっては遭遇する確立は高いし、私が以前働いていたレストランにもセレブが来たことがあるので、もちろん会ったことがある。今回は私が見聞きしたハリウッド事情をお伝えします。

バーもクラブも2時で終わり

  LAの目抜き通りサンセットブルーバード、通称サンセットストリップは人気のクラブやレストラン、ライブハウスなどが軒をつらね、ジョニーデップのバイパールームもここにある。私が寿司アカデミーを卒業して働き始めたレストランもサンセットストリップにあり、ほぼ体育館くらいの大きさの3階建ての巨大レストランだった。アメリカはクラブに寿司バーがあるのが流行っていて、おしゃれ、ということらしい。

LAは深夜2時以降はお酒を出してはいけないので、どのクラブも2時で終了。日本みたいに朝までやってるバーや、クラブに行きなれていた私は正直”うそでしょぉ〜!?”という感じだった。だって、2時といえばさらにこれから盛り上がって次の店にはしごだー!という時間帯。しかし、車社会のLA。みんな車で移動するので、はっきりいってめちゃくちゃ酔っ払ってもいられない。飲酒運転で捕まれば免停の上、膨大な罰金を払わなければならないので、2時までしかお酒が飲めないのは実はちょうどいいのかもしれない。

みんな俳優志望!?

  そのレストランは巨大な上、内装からして何やら竜宮邸のようであった。週末になるとLAの若者が押し寄せ中に入るのに長蛇の列を作り、レストランは店員オーバーでぱんぱんになる。そこで女の子達は寿司カウンターの上に上って踊りだすので、最初の週末を働いたときは、ただただ“ぽっかーん”と口を開けて“ここって寿司レストランだよねー?”と唖然とするのみだった。

そしてさらにびっくりなのが、そこで働くアメリカ人の男の子達。超美形ぞろいで、本当にいい目の保養をさせてもらった。ウェイターもバーテンもみんな超いい男ばっかりである。それもそのはず、全員俳優志望、およびミュージシャン志望なのだ。

LAのサービス業は全て俳優志望たちに支えられていると言っても過言ではない。サーバーの仕事はシフトがフレキシブルな上、チップが稼げるので短時間の労働ですむのでオーデションの日程にあわせやすいのである。ウェイターやバーテンの子達と仲良くなると、色々なエンターテイメント情報が入ってくる。興味がなくても自然といつの間にかその手の情報に詳しくなるのだ。

俳優への第一歩はまずヘッドショットとよばれる売り込み用の写真を撮ることからはじまる。たかが写真とあなどれないのがこのヘッドショット。キャスティングディレクターやプロデューサーの目に留まる写真でなければならないので、一枚で1500ドルくらい費用がかかるのだ。

ハリウッドのメジャー映画に出るのには全米俳優組合に加入しなければならない。このユニオンに加入するのが至難の業で、ユニオンに入るのには、ユニオン以外で作られる学生映画やコマーシャルに出演して規定の時間数をこなし証明しなければ入れてもらえない。学生映画やコマーシャルに出演するにも当然オーディションがあり、俳優志望だらけのLAではそれさえゲットするにも死にもの狂いなのだ。

仲良くなったバーテンダー君いわく、ユニオンに入るのに3年かかって、さらに加入時に会費1300ドルを払ったそうだ。ユニオンに入れたからといって役が自然に入るわけではなく、オーディションの連続なので、まさに生き馬の目を抜く競争である。みんなの話を聞いていると、LA出身者はほとんど皆無でみな他州から俳優を夢見て田舎から出てきている。“えー、お前も俳優志望かよ!?”と言いたくなるようなルックスの人もいるけれど、実際人気がある俳優がみんな美形かといえばそうでもないし。。。やっぱり実力と運が一番の武器だろうか。

中には俳優になりたいのか有名になりたいだけなのか?というような人たちもいるが、大学院で演劇を専攻して舞台に立っているような筋金いりの人もいて人様々。“ダナ・カービーの主演映画で台詞5行もらった”“こんどのTVシリーズに5回出演決まった”という朗報を嬉しそうに話してくれたりすると、みんながんばってるんだなーと感心する。ちなみにTVシリーズにチョイ役出演を5回するといくらもらえるか?1万ドルである。たったそれだけの仕事でそれだけもらえるのだから、一度この道に入ると抜けられないんだろうなーとも思う。

ジョージ・クルーニーとスティーブン・ソダーバーグがプロデューサーをして話題になったHBOのドキュメントドラマ“Unscripted”はまさにこの俳優になりたい人たちのドキュメントドラマである。オーデションの様子や彼らの日常生活を台本ナシで全てアドリブで撮影していて、有名人もたくさん出てきて業界裏話も多数登場し、すごく興味深い。久々に竜宮邸で働いた日々を思い出してしまった。TVや映画、ミュージックビデオを見ていると時々なつかしい顔に遭遇する。三菱のコマーシャルにメインキャラで以前一緒に働いていたウェイターの子が出演していたり、スカーレット・ヨハンソンの主演映画に端役ででている子もいた。果たして一緒に働いた子達の中で大スターになる人は出るのだろうか!?

どこでセレブに会えるのか?

  その竜宮邸で働いている時も、たくさんの有名人にあった。ジェイミー・フォックスやバック・ストリートボーイズ、ドクター・ドレ、ジャン・クロード・バン・ダムなど。メジャースタジオが集中するスタジオシティーのレストランで働いているときは、ドリュー・バリモアが私の目の前でおいしそうにお寿司をほお張っていて、当時彼女はトム・グリーンと婚約中で超かわいいドリューに、超いけてないトムがものすごくアンバランスに見えた。そのお店ではコートニー・コックス、スティーブ・マーティンもよく来ていたし、毎日誰かしら目撃した。

街を歩いていると、どうだろうか?レストランでお客で来る有名人より、道端でばったり遭遇するほうが“おお!”と思ってしまう。メルローズの古着屋でキルスティン・ダンストを見た時は、すっぴんですぐに彼女と気づかなかった。あとジャレット・レトをモールで見かけ、アンジェラ・バセットをスーパーマーケットで見た。友人はマリブのスーパーでブリトニー・スピアーズを見た!と興奮していて、やっと日本の友達に自慢できるーっと喜んでいた。でも、スターも会えばただの人、あれ〜、こんなもんかぁ、と案外大したことなかったりする。

しかし、一番びっくりして会えてうれしかったのが、昔私がはまっていたドラマ“ビバリーヒルズ青春白書”にレギュラー出演していた、ピーチピットのオーナー役のナットさん。レストランバーで食事したとき、トイレがわからずうろうろしていたら“トイレはあっちだよ”とバーで飲んでいたおじさんが親切に教えてくれ、顔を見たとき“あ!”と思わず声が出そうになってしまった。しかし、真昼間からバーで飲んでるだなんて、ナットさん仕事ないのかしら。。。

私が今まで見たセレブで一番オーラを放っていたのが渡辺謙さん。日本食マーケットで買い物してる素敵な人を発見。“この人ステキ”と思ったら謙さんでした。彼はLA滞在中日本食マーケットで買い物して料理するのが楽しみと、インタビューに載っていて納得。どこへ行けば有名人に会えるか?それははっきり言って運次第です。

トム・クルーズやトム・ハンクス、メル・ギブソンなど本当の名声を得られる俳優は本当に一握り。叶わないかもしれない夢を追いかけて今日もLAに到着した若者がたくさんいるだろうと思う。まさにハリウッドは成功と挫折が同居する街である。少しだけれどそういった世界をかいま見ることが出来て貴重な経験だった。
2005.November 

world@cocopafe.net
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佐藤 恵美[さとう えみ]
岡山県出身。大学卒業後、オーストラリアにワーキングホリデーで1年滞在。大阪で社会人をしたのち、心機一転海外移住めざしてLAの寿司スクールに入学、現在レストランで寿司シェフ4年目。趣味は旅行と料理。

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Vol.7 ハリウッド、ハリウッド
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Vol.1 いよいよLAに上陸〜新生活はじまる〜


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