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卒業イベント。みんな準備に一生懸命。









がんばる女の子シェフ達









お客さんが入りはじめ、みんな緊張の表情









人気のキャタピラーロール。中がうなぎときゅうりで外がアボガド










セレブ系レストランが多く集まるサンセットストリップ
Vol.6 食欲の秋!LAのお寿司屋事情
食欲の秋。色々な食文化から成り立っているLAの街。人気はタイ、イタリアン、フレンチ、チャイニーズ、インドそしてジャパニーズ。中にはアジアン・フージョン、パシフィックリム料理、と各国の料理がまざりあったレストランもたくさん登場しLAのレストラン競争はヒートアップするばかり。寿司スクールの卒業イベントの様子もふまえ、LAのレストラン事情をお伝えします。

卒業イベント

  寿司スクールも、ベーシックコースを終え、プロコースになりかなりクラスも終盤になると卒業前のイベントがある。その頃になるとロールが巻けてにぎりができ、プレートのデコレーションもある程度できるようになるので、残るは実際に寿司バーに立って、注文を受け実際に作ってみることだ。それがこの卒業イベントで、寿司スクールのオーナーが所有しているレストランで開かれる。レストランは学校に隣接しており、私も何回かインターンシップでお手伝いに行ったことがあった。店にもよるが、アメリカの寿司レストランは大抵、月〜金はランチ、ディナー、土、日はディナーのみである。そこで日曜日のランチを寿司スクールのイベントが貸切り、特別にオープンするのだ。メニューはその日特別のメニューを作り、普通のお客は入れず、生徒の家族は友人のみ招待するという形式をとる。

そのイベント前はクラスの内容全体がイベントの準備中心になり、みんなの役割を決め、メニューを決め、各自シェフのシグネチャーディッシュを創作し、先生にOKをもらわなければならないから本当に大変だった。家で何度もシグネチャーディッシュのメニューを考え、実際に作ってみて、寿司バーで作るのに支障がないか、時間がかかりすぎないか、材料はすぐに手に入るか、など色々な点を考慮し作っていく。大変だったけれど、いよいよ学校を卒業しレストランで働く日が近づいてきたという実感が涌き、緊張するとともに実際にレストランで働く日が楽しみになった。

アメリカのお寿司屋事情

  アメリカの寿司は日本のそれとはまったく異なる。アメリカ人には握りよりも、もっぱらロールの方が人気で、カリフォルニアロールやスパイシーツナ、クランチーロールなど、ライスが外巻きのものが主流で、ソースもこってり系、とアメリカ人が喜ぶようにかなり改良されているのだ。日本人はこの手のロールは嫌い、という人が多いが私は大好きである。とにかく、こういう組み合わせもあったかぁ〜とびっくりする発想がいっぱいで本当におもしろい。いわゆるカクテルと同じで、組み合わせによって何種類ものロールが存在するわけで、寿司の魅力がワールドワイドに広がったという感じがする。

日本食レストランはいたるところにあり、今ではかなり飽和状態といったところだろうか。今からすし屋もやっても遅すぎるという感じさえするが、今でも次々に寿司レストランがオープンしているのだ。やはり人気なのが昔からやってる老舗系の店。20年以上やっていれば当然知名度も高く、質もよい店が多く値段もお手ごろ。未だに長蛇の列を作る老舗レストランは幾つか存在する。他に人気なのは、ハリウッド辺りにあるセレブが集まるお店だ。実際こういう所は味は大したことはなく、シェフの腕もたいしたことはないが、場所柄有名人が多く集まったり、内装がおしゃれだったりと味より雰囲気重視である。

LAのレストラン評はザガットと呼ばれる批評家達による点数でその良し悪しが決まる。でも、これは参考になるかといえばそうでもない。ザガットの批評がすごく良くても実際に食べて見るとたいしたことないなーというのもある。やはり批評だけでなく実際に自分で食べて見るのが大事なのである。

女のシェフは多いか!?

  私が渡米した頃は女のシェフがようやく登場してきた頃でかなりマイナーな存在だった。しかし4年経った今、確実に女性のシェフは増えてきている。それでも未だに”女のシェフは初めて見た”といわれることもあるが。アメリカでは男女で職業に区別をつけるのは確実な差別につながり厳しく禁止されているが、やはり日本人が多い日本人社会といえるレストラン業界はなかなかその壁を破るのが難しかったと言えるかもしれない。

しかし、女性シェフの増加とともに人種の壁もかなり減ってきた。少し前は寿司シェフは日本人、というのが当たり前だったけれど、今ではフィリピン人、韓国人、ベトナム人、メキシコ人などいろんな人種の寿司シェフがいる。LAでも評価が高くセレブシェフのノブ・マツヒサが所有するレストラン”NOBU"のマリブ店に行った時のこと。私たちをテイクケアしてくれた寿司シェフはメキシカンだった。これくらいの有名店で日本人以外のシェフがお寿司を握っているのは驚きだった。寿司レストランの増加とともに日本人の従業員だけでは人手が足りなくなり、他の人種にも寿司シェフの仕事の口が回ってきたという事情もあるだろう。私としては日本人だけの狭い世界より、いろんな人種と仕事場で働ける方が楽しいし、せっかくアメリカにいるのに日本語しかつかわない仕事ではやはりつまらない。これからもレストランはどんどん色々な形に変化していくだろう。

イベントは大成功

  卒業イベントは結果からいえば大成功だった。いくつかの失敗やアクシデントもあったものの、みんながそれぞれの役目をきちんとこなし、各自のシグネチャーディッシュを作り、注文をとり接客し、緊張しながらもなんとかやり遂げることができ、みんなにとって大きな自信につながった。

初めて寿司バーに立って、お客の接客をしたときは正直手が震えていた。緊張して英語もうまくでてこず後ろに引っ込みたい衝動にかられたが、お客さんが自分が作った寿司をおいしいと言って食べてくれてるいる様子を見るとがんばってきて良かったと思った。実際レストランと働くのとは少し異なるものの、この卒業イベントは本当にためになったし、クラスのみんなと協力してがんばってきた集大成といえる。
2005.October 


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佐藤 恵美[さとう えみ]
岡山県出身。大学卒業後、オーストラリアにワーキングホリデーで1年滞在。大阪で社会人をしたのち、心機一転海外移住めざしてLAの寿司スクールに入学、現在レストランで寿司シェフ4年目。趣味は旅行と料理。

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