C:井ノ口さんが大和ハウスに就職されてからのことについて、教えていただけますか。
平成8年に大和ハウス工業(株)入社しました。本社の住宅事業本部配属になりましたが、実際の業務は役員秘書でした。そして、上司の異動にともなって、平成12年には秘書室へ、平成16年には大和工商リース(現・大和リース)の秘書課へ出向しましたが、業務的な変化はなく、ずっと秘書を務めさせていただきました。平成17年に東京支社の営業本部統括管理部へ異動し、初めて住宅部門の仕事に関わるようになりましたが、入社10年目にもかかわらず、住宅に関しては全くの素人でした。しかし、幸い立ち上げから関わったプロジェクトのテーマは『生活者視点』。住宅のプロとしての生産者側の都合にとらわれることなく、お客様と同じ目線で考えることができましたので、逆に私の強みであると考えるようにしました。最初の頃は、元設計担当の社員を質問攻めにしたり、ポケットにいつもメジャーを入れて、家の中の寸法を測ったりしていました。
C:大和ハウスに入社されて10年以上の井ノ口さんから見た大和ハウスについて、ぜひご紹介ください。
弊社は住宅メーカーですが、『人・街・暮らしの価値共創グループ』と称しており、住宅は勿論のこと、土地活用のご提案、例えばロードサイドに多い商業店舗等の仲介から建設、経営サポートまで行う流通店舗事業、ホテル事業やホームセンター事業など、多角化しています。建物の提供のみにとどまらず、多彩な価値を創造するという意味で、視野の広い会社であるといえます。
現在は、住宅の部門に所属していますので、住宅部門について申しますと、工業化住宅のパイオニアとして長年培ってきた技術力、住まいづくりのノウハウには、従来から根強い定評を頂いております。
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C:役員秘書から、現在のプロジェクトチームへと、大きく仕事内容が変化した訳ですが、現在関わっておられる『暮らしごこちデザインプロジェクト』について、教えてください。
これからは、住宅のハード面だけではなく、ソフト面をも重視した家作りの提案力が必要不可欠だという考えの下、「生活者の代表」であり「解決者」でもあるアメニティアドバイザーの近藤典子さんと共にコラボレーションをスタートさせました。それは、お客様に、単に住まいという器を提供するのではなく、そこに住む人、一人ひとりにとっての本当の「暮らしごこち」よさを追求し、提案するために立ち上げたプロジェクトです。
近藤典子さんの提唱する「空‘間’」「時‘間’」「人‘間’」という「3つの‘間’」をコンセプトに、生活体感型モデルハウス「ケーススタディハウス」や、快適収納システム「しまいごこちユニット」をはじめとして、新しい住まいの在り方を提案しています。
C:本日お伺いしていますケーススタディハウス神戸は、そのコンセプトのもと誕生した展示場のひとつなのですね。
はい。「ケーススタディハウス神戸」では、まるでこの家に暮らしているかのような暮らしごこちを実感できるよう、できるだけリアルなサイズと間取り、生活動線を表現しました。ここでは、暮らしの中で日々ストレスに感じていること実際に解決させて提示しており、お客様から「そうそう!そうなのよねー!」「なるほど、こうすれば良いのね」とのお言葉をいつも頂戴します。暮らしにこだわりのある方ほど、その思いをどう形にすれば良いのかと悩まれるのですが、ケーススタディハウスで、形にするってこういうことなのだ、と気づいて頂けるのです。また、近藤典子さんの考え方をカタチにした収納システム「しまいごこちユニット」も採用しており、実際に見て触れて、その使いごこちを体感することができます。
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C:ケーススタディハウスの収納部分を拝見して、本当にしまいごこちが良さそう!と感じましたが、この「しまいごこちユニット」は、大きな特徴ですね。
うまく片付けられずに、収納アイテムばかりが増えてしまったり、片付けても、すぐまた部屋の中が散らかってしまったりと、上手に収納できないことは、日々の暮らしのストレスへと発展しがちです。だからこそ、「収納」を、モノをしまうだけのスペースではなく、暮らしを快適にするためのアイテムとして捉え、住まい手の視点で使い勝手を考えたシステムを構築しました。
この「しまいごこちユニット」には、キーワードが3つあります。まず「最大限&最適」です。空間を上手く活用して、しまうモノに合わせて独自の収納システムを採用し、管理もスムーズにできるようにしています。2つ目は「指定席」です。しまうモノに使い勝手を考えた指定席を設け、出し入れのし易さと、どこにあるかがすぐに分かるように考慮されています。最後に「フレキシブル」です。それぞれの暮らしに合わせて、収納のカタチを簡単にカスタマイズできるようにしてあります。このユニットを使うことで、今の暮らしの悩みが解決され、快適に「変わる」ことを実感してもらいたいです。
C:テレビ等で拝見する近藤典子さんは、とても楽しそうで幸せを運んできて下さるように感じるのですが、身近に接しておられていかがですか。
パワフルです。お客様アンケートからも、「元気をもらいました」という感謝の言葉が多く寄せられています。また、暮らしの中で起こるさまざまな悩み、ストレスに対し、今目に見えていることだけではなく、その本質的な原因を見抜き、解決策を提案されます。そのプロセスが天才的だと感じます。そして、大変お忙しいのに、周囲の人への気の配り方が素晴しく、いつも頭の下がる思いです。
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C:「豊かに暮らす」とか、「ゆとりのある暮らし」とか、言葉にするのは簡単ですが、実現することは難しいと思うのです。しかし、近藤典子さんは、そういうことを、とても良く分かっておられて、体現されているように感じます。
2000軒以上ものお宅を片付けられた経験に裏付けられているからこそだと思います。快適で豊かな暮らしを応援し、本当の心の豊かさを伝えていくことこそがご自身の使命だと考えられ、「近藤典子の暮らしアカデミー」の校長をされています。
C:やはり、そういった活動もなさっているのですね。ところで、井ノ口さんは、家作りのポイントが、どのようなところにあるとお考えですか。
どう暮らしたいかを、具体的に考えることが重要だと思います。例えば、「和室が何帖欲しい」など物質的なことを考える以前に、和室を使う家族の動きやそこでの気持ちをイメージする。住む人に焦点を当てると、必要なこと、必要でないことが見えてきます。家作りの過程では、予算をはじめ様々な制約のなかで多くの選択をしなければなりませんが、人に焦点を当てること、つまり「家族の幸せ」という原点を忘れないことで、納得できる答えが出せるように思います。
C:井ノ口さんにとっての理想の家とは、どのようなイメージなのでしょうか?
家族皆が、住めば住むほど「暮らしやすいな」と実感する家です。新築の家を良いと感じるのは、当然のことです。その後、年月を経るにしたがって、「ああしておけば良かった」「もっと、こうだったら良いのに」と感じるのが常ですが、逆に「こうしておいて本当に良かった」「なるほど。だからダイワハウスはこうなのだ。」と納得し、住み続けるほどに、理解と満足が深まっていくイメージです。
C:それは、とてもステキな家でしょうね。ステキなモデルルームに日々接しておられると、さぞかしプライベートも美しく暮らして居られるのではないかと思いますが、いかがですか。
出張も多く、平日は家事をためがちなので、夫には迷惑をかけています。
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C:仕事をしていたりして時間の余裕がないと、家事もなかなか思うようにはいかないものですが、そういう方にも、このケーススタディハウスのように近藤典子さんの工夫が詰まった家の良さが生かされるのではないかと思いました。お忙しい毎日をお過ごしのようですが、仕事以外で楽しみにしていることは、何かありますか。
海外旅行です。少なくとも、一年に一度は、必ず行きたいですね。今、見ておいてこそ価値観が広がると思えるような場所に行きたいと思います。文化の違いを感じたり、人生観の違いを感じたりすることが、とても刺激になります。最近訪れた中では、インドが非常に印象的でした。生と死が身近に感じられて、興味深い国です。
C:私も、インドには大変興味があります。国内でも、海外でも、旅行は楽しいですね。最後に、これからの夢をお聞かせください。
普段、お客様にご提案申し上げているコンセプトをもって、自分自身の家作りを、ぜひ実現させてみたいです。
C:本日は、お忙しい中、ケーススタディハウス神戸をご案内下さいまして、ありがとうございました。
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